2017/12/07
民間軍事警備会社の兵士を描いた映画『ルート・アイリッシュ』と一緒に読むべき3冊の本。
世界で最も危険な道路 – ルート・アイリッシュ
ハード・タッチな戦争サスペンス
この作品はイラク戦争に従事した民間軍事警備会社の兵士を題材にした映画です。
英国の元特殊部隊員だった主人公のファーガスは、ある民間軍事会社に所属してイラクで物資を運んだり要人警護をしたりする所謂「傭兵」の仕事をしていた。
そんなファーガスが幼馴染の友人であるフランキーに同じ民間軍事会社で共に働こうと持ちかけた。
ファーガスと同じく元特殊部隊員だったフランキーは、今は故郷のリヴァプールの町で一般の仕事に就いている。
今の仕事の給料は安いけれども、フランキーは愛する彼女と共に故郷で平和に暮らしていた。
しかし民間軍事警備会社では危険な任務の報酬として給料が高く税金も掛からないので今やってる仕事なんかよりも遥かに良い収入が得られるぞ!……とファーガスから誘われる。
この説得を断れず、フランキーは民間軍事会社に就職することとなる。
しかし結局、このことでフランキーは命を落とすこととなった……。
親友のフランキーの死に責任を感じたファーガスは、彼の死の真相を探ろうとする。
調べていくとフランキーは、なぜか危険な地帯での警護を任せられ、不可解な死を遂げていた。
そこは2003年に米国がイラクに侵攻して以降、テロ攻撃の第一目標とされる「世界一、危険な道路」として知られるエリアだった。
その場所は、バグダッド空港と市内の米軍管轄区域グリーンゾーン(安全地帯)を結ぶ12キロにも及ぶ道路で「ルート・アイリッシュ」と呼ばれる最もテロの標的になりやすい危険な一帯である。
事件の真相を探っていくうちに、ファーガスは生前のフランキーが映ったショッキングな戦場での映像を入手するのだが……
……と、こういったあらすじです。
僕はこういった内容にとても興味があるのでDVDで買いました。
さて、この映画自体はフィクションなのですが実話の事件を題材に作られているんだなって感じた個所がいくつもありました。
そこで、この映画と一緒に併せて読むとより一層おもしろくなる本を数冊ご紹介します。
映画『ルート・アイリッシュ』と併せて読みたい3冊の本
01.『ブラックウォーター――世界最強の傭兵企業』
まずはかつては世界最大級の民間軍事会社だったブラックウォーター社を題材にした『ブラックウォーター――世界最強の傭兵企業』です。
この本に載っている実在の出来事であるブラックウォーター社の不祥事や杜撰な社員管理や利益だけを追求した汚い企業理念などが映画の民間軍事会社とリンクします。
フランキーが危険なルートを任されて、装備や人手が足りなくて命を落とすとこなどブラックウォーター社の社員が実際に起こした事件のようです。
また映画の中でフランキー以外の別の社員がイラクの一般人の人にまで銃を向けたことなども実際の事件を元にしているように思います。
分厚い本で読見応え充分なのでぜひ読んでみて下さい。
民間軍事会社だけに絞られす、いかにして大企業が生まれ、利益を追求し過ぎるがため会社が問題を起こし、いかにして大企業が衰退していくのか……を知ることもできますので、そういった内容にご興味がある方もぜひ読んでみてください。
ただし、人によってはショッキングに感じるであろうハードな内容も含まれていますので、その辺は覚悟の上で読んでみて下さい。
02.戦場の掟
もう一冊は、『戦場の掟 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』です。
こちらの本でも上記の『ブラックウォーター――世界最強の傭兵企業』と同じようにノンフィクションで実際に起きた事件を扱っています。
この本の登場人物は実在の人物ばかりで写真も載っています。
装備の足りない状況で物資を運搬中に敵に襲われて、数名の民間軍事会社の社員が人質となり囚われの身となります。
そしてその後……かなりショッキングな結末が待っています。
この辺も映画のフランキーと重なります。
映画の最初でフランキーの遺体を見ようとしたファーガスが止められるのですが、その理由は遺体が生前の原形を留めていないからなのですが、その辺も本とリンクします。
また映画の劇中に何度も出てくる台詞の“Wrong Place, Wrong Time(悪い時に悪い場所へ)”も、まさに本で起きた事件にも言えることだと感じます。
こちらの本は現場に同行していたジャーナリストが各人のインタビューなどを元に構成していて物語として読むのにも適しているため感情移入しやすく読みやすい内容となっております。
物語の書き方の手法としては「イマージョン・ジャーナリズム」みたいな感じです。
03.「図解」民間軍事会社と傭兵―ミリタリーファンの憧れ「民間軍事会社」への就職方法」
3冊目にご紹介する本は『「図解」民間軍事会社と傭兵―ミリタリーファンの憧れ「民間軍事会社」への就職方法』というムックです。
かなり詳しい解説が載った本です。
人類史における最初の傭兵から、その歴史についてまで載っています。
そして現代の民間軍事会社の成り立ちや興隆など、この辺の内容に興味がある人にとっては必読本だと言えます。
写真やイラストもたくさん載っているので読みやすさもあります。
また上記の2冊の本の内容ともリンクしていますので、先にこの本を読んでから他の2冊を読むと更に内容を詳しく理解できるようになるんじゃないかな~?と感じます。
民間軍事会社系の本では特にお勧めの本です。
以上、3冊のご紹介でした。
ぜひ映画と合わせて読んでみて下さい。
オマケ
もう1点、映画の内容とリンクする本を追加いたします。
CIAの元副長官が書いた本で『秘録 CIAの対テロ戦争――アルカイダからイスラム国まで』です。
民間軍事会社の内容なのにCIAの本??……って感じなのですが、映画を観てこの本を思いだしたことは、主人公のファーガスがフランキーの死の真相を探る際にある人物を拷問します。
その拷問方法がこの本にも載っています。
そして映画でも出てきます。
その拷問方法とは、相手を身動きできないように台に仰向けにして縛り付け、顔を布で覆い周りが見えなくします。
その状況で布を被った顔に何度も何度も大量の水を掛けて息が出来ないように苦しめます。
それを相手が重要な情報を吐くまで何時間でも続けます。
何度も何度も……
長時間に渡り、延々と……
目の見えない身動きの出来ない状況で、顔に水を掛けられる……。
一般人からすると、椅子に縛られて殴られ続けたり、爪を剥がされたりする方が遥かに恐ろしく感じるのですが……
こういった特殊な訓練を受けた特殊部隊員やCIAのスパイやテロリストなんかは、肉体的な痛みよりも精神的な長時間の拷問の方が効果的なようです。
そういった内容がこの本に書かれていました。
そのためこの拷問方法はCIAや特殊部隊などでは禁止されているようです。(表向きは……)
またこの拷問方法に似たような感じで、何も見えない暗闇の何も音のしない状況でひたすら頭に水滴を一定のリズムで落とされ続けると、どんな屈強な人間でも気が狂ってしまうらしいです。
他にも目の見えない状況で手や足に大量の水を流し続けて「今、お前の腕から(足から)大量の血が流れ続けているぞ!このままでは出血多量で死んでしまうな~!」と言い続けると、実際には傷つけられていない無傷な肉体のままであっても、頭がおかしくなり本当に死んでしまったり……なんていう話も何かで読んだことがあります。
精神が死ぬと肉体までもが機能を停止してしまう……サブリミナル効果的なことなのでしょうか?
精神的なダメージってどんなに肉体を鍛えた屈強な戦士であっても敵わない恐ろしい拷問なんだな……って思いました。
映画では、ファーガスが相手に対して冷たい口調で“No blood, No fail(無血ならセーフだろ)”……と拷問を始める際は冷酷で恐ろしくもあります。
映画と本とをリンクさせてみると、様々なことが繋がっていきますね。
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